icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

臨床報告

5検査施設間での白内障術前結膜囊培養結果の比較

著者: 宮永将1 佐々木香る1 宮井尊史1 子島良平1 野口ゆかり1 丸山葉子1 宮田和典1

所属機関: 1宮田眼科病院

ページ範囲:P.2143 - P.2147

文献購入ページに移動
要約 目的:検査施設が異なることにより,結膜囊常在菌培養結果に違いがあるかを検討する。対象と方法:白内障手術予定の患者500眼を対象とした。術前の結膜囊擦過検体を100検体ずつ5検査施設に細菌培養同定検査依頼し,結果を比較した。結果:細菌検出率は各検査施設で45,74,80,84,89%であり,検出株数はそれぞれ47,80,122,137,186株であった。全検査施設に共通してS. aureus,Enterococcus属,Enterobacter属が同定された。P. acnesは2施設でのみ,S. epidermidisは3施設だけで報告があった。結論:検査施設により結膜囊常在菌の細菌検出率,検出株数や菌種検出傾向に差が認められた。これは培養条件や検査方針が異なることが原因と考えられた。細菌培養検討の際には,検査施設の選定に注意が必要であることが示された。

参考文献

1)Speaker MG, Milch FA, Shah MK et al:Role of external bacterial flora in the pathogenesis of acute postoperative endophthalmitis. Ophthalmology 98:639-650, 1991
in the endophthalmitis vitrectomy study. Arch Ophthalmol 115:357-361, 1997
3)Puliafito CA, Baker AS, Haaf J et al:Infectious endophthalmitis:Review of 35 cases. Ophthalmology 89:921-929, 1982
4)浅利誠志:細菌検査の落とし穴.あたらしい眼科 23:479-480,2006
5)丸山勝彦・藤田 聡・熊倉重人・他:手術前の外来患者における結膜囊内常在菌.あたらしい眼科 18:646-650,2001
6)大はし秀行・福田昌彦・大鳥利文:高齢者1,000眼の結膜囊内常在菌.あたらしい眼科 15:105-108,1998
7)岩﨑雄二・小山 忍:白内障術前患者における結膜囊内細菌叢と薬剤感受性.あたらしい眼科 23:541-545,2006
8)志熊徹也・臼井正彦:白内障術前患者の結膜囊常在菌と3種抗菌点眼薬の効果.臨眼 60:1433-1438,2006
9)片岡康志・佐々木香る・矢口智恵美・他:白内障手術予定患者の結膜囊内常在菌に対するガチフロキサシンおよびレボフロキサシンの抗菌力.あたらしい眼科 23:1062-1066,2006
10)Meisler DM, Palestine AG, Vastine DW et al:Chronic Propionibacterium endophthalmitis after extracapsular cataract extraction and intraocular lens implantation. Am J Ophthalmol 102:733-739, 1986
. Curr Eye Res 13:45-466, 1994
を主として.あたらしい眼科 20:657-660,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?