文献詳細
文献概要
文庫の窓から
『甲乙経』
著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1
所属機関: 1研医会
ページ範囲:P.2158 - P.2160
文献購入ページに移動『甲乙経』は晋の皇甫謐(214-282)が編纂した書で『黄帝三部鍼灸甲乙経』と呼ばれたり,『黄帝甲乙経』『三部鍼灸経』という言い方をされたりしている。その皇甫謐の自序に「素問,九巻(霊枢),および明堂孔穴鍼灸治要の三部の書をとり,その事類に従って集め,浮辞を削り,重複を除き,精要を論じて十二巻とした」とある。
岡西為人の『宋以前醫藉攷』によると,『隋書経藉志』『外台秘要方』『唐書藝文志』『通志藝文略』『旧唐書経籍志』などに『甲乙経』の名があることがわかるが,それぞれ10巻とするもの,12巻とするもの,あるいは三部とのみ書いたものなどいろいろである。医学の実用の書として各時代にいろいろな版が作られ,流布していたにちがいない。
参考文献
掲載誌情報