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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻13号

2007年12月発行

文献概要

文庫の窓から

『甲乙経』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.2158 - P.2160

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魏晋南北朝の医学書

 『甲乙経』は晋の皇甫謐(214-282)が編纂した書で『黄帝三部鍼灸甲乙経』と呼ばれたり,『黄帝甲乙経』『三部鍼灸経』という言い方をされたりしている。その皇甫謐の自序に「素問,九巻(霊枢),および明堂孔穴鍼灸治要の三部の書をとり,その事類に従って集め,浮辞を削り,重複を除き,精要を論じて十二巻とした」とある。

 岡西為人の『宋以前醫藉攷』によると,『隋書経藉志』『外台秘要方』『唐書藝文志』『通志藝文略』『旧唐書経籍志』などに『甲乙経』の名があることがわかるが,それぞれ10巻とするもの,12巻とするもの,あるいは三部とのみ書いたものなどいろいろである。医学の実用の書として各時代にいろいろな版が作られ,流布していたにちがいない。

参考文献

1)岡西為人:宋以前醫藉攷.1.醫経.古亭書屋,台北,1936
2)服部敏良:奈良時代醫学の研究.東京堂,1945
3)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
4)古医学資料センター:医心方解説.講談社,1973
5)小曽戸洋:中国医学古典と日本.塙書房,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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