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特集 緑内障診療の新しい展開
次世代OCTで可能になること
著者: 板谷正紀1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学(眼科学)
ページ範囲:P.136 - P.144
文献購入ページに移動はじめに
ここ2年来,フーリエドメイン(Fourier domain:FD)光干渉断層計(OCT)が,次世代のOCTの技術として注目されてきた。2006年のAmerican Academy of Ophthalmology(AAO)の機器展示では,すでに7社から商用機の展示があり,うち2社は米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の認可を受けていた(すなわち,残り5社はFDAに申請中である)。OCT3000を中心とする眼底用タイムドメインOCTは,知る限り3社の商用機しかなかったわけであるから,フーリエドメインOCTの実用化の勢いに驚いた方々は少なくないと思う。その勢いの理由は,タイムドメインOCTほど強い基本特許がなかったことが考えられるが,それ以上にフーリエドメインOCTがタイムドメインOCTを圧倒する基本性能をもつためと考えられる。
近年,緑内障診断機器として,HRT2,GDx,OCT3000の3つの光学診断機器が,ほぼ同程度の緑内障検出力を有するとされる。このなかでOCTだけが,フーリエドメインOCTへと技術革新が起きているため,今後OCTが緑内障診断機器の本命に浮上する可能性が高くなってきた。この時点で,フーリエドメインOCTが緑内障診療において何を可能にするかを予想することはよいタイミングと考える。
ここ2年来,フーリエドメイン(Fourier domain:FD)光干渉断層計(OCT)が,次世代のOCTの技術として注目されてきた。2006年のAmerican Academy of Ophthalmology(AAO)の機器展示では,すでに7社から商用機の展示があり,うち2社は米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の認可を受けていた(すなわち,残り5社はFDAに申請中である)。OCT3000を中心とする眼底用タイムドメインOCTは,知る限り3社の商用機しかなかったわけであるから,フーリエドメインOCTの実用化の勢いに驚いた方々は少なくないと思う。その勢いの理由は,タイムドメインOCTほど強い基本特許がなかったことが考えられるが,それ以上にフーリエドメインOCTがタイムドメインOCTを圧倒する基本性能をもつためと考えられる。
近年,緑内障診断機器として,HRT2,GDx,OCT3000の3つの光学診断機器が,ほぼ同程度の緑内障検出力を有するとされる。このなかでOCTだけが,フーリエドメインOCTへと技術革新が起きているため,今後OCTが緑内障診断機器の本命に浮上する可能性が高くなってきた。この時点で,フーリエドメインOCTが緑内障診療において何を可能にするかを予想することはよいタイミングと考える。
参考文献
1)伊藤雅英・安野嘉晃・谷田貝豊彦:フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ.視覚の科学 26:50-56,2005
2)安野嘉晃:フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィー:方式と特性.応用物理 75:707-712,2006
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4)Wojtkowski M, Srinivasan VJ, Liu J:Volumetric rendering of intraretinal features and macular pathology with high-speed ultrahigh resolution optical coherence tomography. Proceedings of SPIE 6138 Ophthalmic Technologies XVI
5)Wojtkowski M, Srinivasan V, Fujimoto JG et al:Three-dimensional retinal imaging with high-speed ultrahigh-resolution optical coherence tomography. Ophthalmology 112:1734-1746, 2005
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