icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻2号

2007年02月発行

文献概要

文庫の窓から

『醫弊説』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 斎藤仁男1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.258 - P.260

文献購入ページに移動
 水戸藩主徳川齊昭公(1800-1860)の藩政の改革,弘道館の建設,水戸学の精神などについては世によく知られているところであるが,また,幕政に参与し,医政と厚生運動にも大変熱心であったことも看過できない。なかんずく『醫弊説』を自ら撰して医学の振興に尽力したことは有名な話である。ここには齊昭公の医政について,その第一人者である石島績,矢数道明両先生のご研究をもとに『醫弊説』を紹介する。

 徳川時代,水戸歴代藩主のうち,医学振興に最も心を注いだのは烈公徳川齊昭であった。烈公は弘道館内に医学館を設け(天保12年),藩内に15の郷校を置いて医学教育を行い,自ら『醫弊説』を撰して医道の興揚,医の倫理を提唱した(矢数道明)。ことに烈公は,この『醫弊説』において,藩医の悪弊を痛切に説破したといわれている。

参考文献

1)石島 績:水戸烈公の医政と厚生運動.上.日本衛生会,1941
2)石島 績:水戸烈公の医政と厚生運動.下.日本衛生会,1943
3)石島 績:烈公の医政と盲医玄養.日本医史学雑誌 No. 1326,105,1944
4)石島 績:水戸烈公の医政と医・薬奨励.漢方の臨床 4:17,1957
5)坂本太郎:日本史小辞典.山川出版社,1958
6)矢数道明:医学の跡をたづねて(その36.水戸).実験治療 No. 352,武田薬品工業,1963
7)矢数道明:水戸藩の語る五つの医史.医界風土記―関東・甲信越篇.思文閣,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?