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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻3号

2007年03月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

アシタザノラスト水和物点眼液の季節性アレルギー性結膜炎に対する季節前投与の効果

著者: 山岸哲哉1 奥村直毅1 中井孝史1 橋田正継1 卜部公章1 吉田博則23 三好輝行3 小島善治4 伊与田加寿5 角環2 福島敦樹2 上野脩幸2

所属機関: 1町田病院眼科 2高知大学医学部眼科 3三好眼科 4こじま眼科 5伊与田眼科

ページ範囲:P.313 - P.317

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要約 目的:季節性アレルギー性結膜炎に対するアシタザノラスト点眼液の季節前投与の効果の報告。対象と方法:前年までに季節性アレルギー性結膜炎と診断され,スギ花粉に対する血清IgE RASTまたは皮膚テストが陽性の患者23例23眼に,花粉飛散が予測される2週間前から,1日4回のアシタザノラスト水和物の点眼を6週間続けた。スギ花粉飛散の開始後に発症した患者10例10眼に,アシタザノラストを1日4回,4週間点眼した。投与前後の自他覚所見を2週毎に検討した。結果:季節前に投与した症例では,花粉飛散の開始前と開始後で自他覚所見の変化がなかった。花粉飛散の開始後に治療した10眼では,投与の2週後に搔痒感が改善し,以後4週後まで続いた。これら10眼と比べ,季節前投与例では,搔痒感,流涙,球結膜と瞼結膜の充血,結膜濾胞のスコアが有意に低かった。副作用はいずれの症例群にもなかった。結論:アシタザノラストの点眼は,季節性アレルギー性結膜炎の発症後の自覚症状を改善し,季節前投与により症状の悪化を抑制する。

参考文献

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8)高橋政代:眼科診療プラクティス 42(抗アレルギー薬):34-37,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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