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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻3号

2007年03月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

感受性からみた年代別の眼科領域抗菌薬選択2006

著者: 加茂純子1 喜瀬梢1 鶴田真1 村松志保2 山本ひろ子2

所属機関: 1甲府共立病院眼科 2甲府共立病院細菌検査室

ページ範囲:P.331 - P.336

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要約 目的:眼科領域での細菌の,年齢層毎にみた抗菌薬に対する感受性の報告。方法:2006年8月までの1年間に279例の結膜炎患者から分離された細菌を検索した。患者の年齢層を,0歳,15歳まで,64歳まで,65歳以上の4群に分けた。抗菌薬として,クロラムフェニコール(CP),ジベカシン(DKB),sulbenicillin(SBPC),levofloxacin(LVFX),tosfloxacin(TFLX),gatifloxacin(CFLX),エリスロマイシン(EM),テトラサイクリン(TC),バンコマイシン(VCM)に対する感受性を調べた。結果:全症例での1位はStaph. epidermidis,2位はCorynebacterium,3位はStaph. aureusであった。15歳未満群ではHemophilus influenzaeが1位または2位であった。どの年齢層でもメチシリン抵抗性黄色ブドウ球菌(MRSA)にはVCMとCPが有効であった。すべての年齢層に対し,CMXが第1選択として勧められ,1歳以上ではTCが概して有効である。64歳未満ではGFLXが奏効する症例が多い。結論:抗菌薬による結膜炎の治療では,上記の結果を参考にすることが勧められる。

参考文献

1)加茂純子・山本ひろ子・村松志保・他:病棟・外来の眼科領域細菌と感受性の動向2001~2005年.あたらしい眼科 23:219-224,2006
2)神山朋子・杉浦陽子・久田晴美・他:新規ニューキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の薬効評価(1)細菌学的評価.あたらしい眼科 23(別):3-11,2006
3)水末真吾・神山朋子・松村尚樹・他:新規ニューキノロン系抗菌薬トシル酸トスフロキサシン点眼液の薬効評価(3)in vivo有効性.あたらしい眼科 23(別):18-25,2006
4)福田正道・高橋信夫:ガチフロキサシン点眼薬の家ウサギ眼内移行動態―房水内最高濃度値(AQCmax)の測定.あたらしい眼科 21:1109-1112,2004
5)五十嵐弘昌・秋葉 純・吉田晃敏・他:乳幼児における細菌性結膜炎の検出菌について.眼紀 44:1373-1376,1993
6)秋葉真理子・秋葉 純:乳幼児細菌性結膜炎の検出菌と薬剤感受性の検討.あたらしい眼科 18:929-931,2001
7)亀井裕子:小児感染症の最近の動向.臨眼 57(増):81-85,2003
8)Mather R, Karenchak L, Romanowski E et al:Fourth generation fluoroquinolones:new weapons in the arsenal of ophthalmic antibiotics. Am J Ophthalmol 133:463-466, 2002
9)Stroman D, Dajcs J, Cupp G et al:In vitro and in vivo potency of morifloxacin and morifloxacin ophthalmic solution 0.5%, a new topical fluoroquinolone. Surv Ophthalmol 50:S16-S31, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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