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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻3号

2007年03月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著

特発性脈絡膜新生血管に対する治療

著者: 櫻井寿也1 前野貴俊1 木下太賀1 山田知之1 吉田稔1 川村博久1 竹中久1 小高隆平1 真野富也1

所属機関: 1多根記念眼科病院

ページ範囲:P.407 - P.410

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要約 目的:特発性脈絡膜新生血管の治療成績の報告。症例と方法:過去13か月間に治療した特発性脈絡膜新生血管7例7眼を検索した。男性2例,女性5例であり,年齢は26~47歳(平均40歳)であり,観察期間は8~23か月(平均16か月)であった。治療として,全例にトリアムシノロアセトニド20mgをテノン囊下に注入した。改善傾向がない6眼には光線力学的療法(PDT)を追加した。結果:7例での最終視力は,術前より2段階以上の改善が4例,不変が3例であり,悪化はなかった。0.8以上の視力が4例で得られた。結論:特発性脈絡膜新生血管に対し,上記の療法が奏効することがある。ステロイド療法では眼圧上昇,光線力学的療法では網膜下血腫などの合併症に留意する必要がある。

参考文献

1)越生 晶・柏木洋子・服部晶幸・他:中心性滲出性脈絡網膜炎の臨床像.自然経過について.眼紀 33:514-523,1982
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6)Saari M:Disciform detachment of the macula. Juvenile haemorrhagic macular choroidopathy. Acta Ophthalmol 55:525-529, 1977
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8)白神千恵子・白神史雄・尾嶋有美・他:特発性脈絡膜新生血管のインドシアニングリーン蛍光眼底造影所見.臨眼 51:575-579,1997
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10)Chan WM, Lam DS, Wong TH et al:Photodynamictherapy with verteporfin for subfoveal idiopathic cho-roidal neovascularization. One-year results from a prospective case series. Ophthalmology 110:2395-2402, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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