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書評
言語コミュニケーション障害の新しい視点と介入理論
著者: 御領謙1
所属機関: 1千葉大文学部教授・心理学
ページ範囲:P.312 - P.312
文献購入ページに移動 人間を人間たらしめている言語コミュニケーション機能に,不幸にも障害が生じた場合の不利益は計り知れない。この障害の評価法や,回復の支援に必要な方法の一層の整備は,高齢社会を迎えた今,緊急の課題の1つと言えよう。そのためには臨床場面のみならず,関係諸科学の基礎的研究をも含めた超領域的研究が必要であり,幅広い視点と知識が要求される。本書は読者をこの広領域にわたる研究と実践の最前線に導いてくれる。
本書の特徴を2,3あげておきたい。第一は理論と実践のバランスを重視する姿勢である。これは編者笹沼澄子氏の編集方針であったのだろうが,どの著者もその要望に十分にこたえている。つまり本書は単なる事実や理論の羅列でなく,事実(神経心理学的事実,心理学,心理言語学的事実,脳神経画像的事実など)と,理論(認知機能モデル,言語理論,脳機能モデルなど)と,介入技法との間の有機的な関連付けを明確に意図している。それが現時点でどの程度成功しているかは,問題領域ごとの研究の進展具合などもあり,一概に判断はできない。しかし本書のこのような方向付けに,評者は深く賛同したい。
本書の特徴を2,3あげておきたい。第一は理論と実践のバランスを重視する姿勢である。これは編者笹沼澄子氏の編集方針であったのだろうが,どの著者もその要望に十分にこたえている。つまり本書は単なる事実や理論の羅列でなく,事実(神経心理学的事実,心理学,心理言語学的事実,脳神経画像的事実など)と,理論(認知機能モデル,言語理論,脳機能モデルなど)と,介入技法との間の有機的な関連付けを明確に意図している。それが現時点でどの程度成功しているかは,問題領域ごとの研究の進展具合などもあり,一概に判断はできない。しかし本書のこのような方向付けに,評者は深く賛同したい。
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