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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

アレルギー性結膜炎の対症療法:冷却シートの応用

著者: 吉井大1 簗島謙次1 小西明伸2 矢野博子2

所属機関: 1国立身体障害者リハビリテーションセンター眼科 2小林製薬研究開発カンパニー

ページ範囲:P.515 - P.517

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要約 目的:アレルギー性結膜炎の搔痒感を軽減するために瞼裂を開いた状態で眼瞼を冷却するシートの紹介と,その臨床的応用の報告。対象と方法:両眼にアレルギー性結膜炎があり,スギ花粉症の既往がある10例を対象とした。「つ」または「こ」の形をした冷却シートを眼周囲に10分間貼り付け,これを各1週間続けた。質問書による問診と眼瞼部サーモグラフィで効果を評価した。結果:搔痒感の軽減には,両型ともに63%に効果があった。「つ」型は「こ」型よりも貼り付けにくいという欠点があった。サーモグラフィによる測定で,「つ」型では4.2±0.3℃,「こ」型では3.6±0.4℃の温度低下があった。結論:アレルギー性結膜炎の搔痒感を軽減するために,冷却シートが奏効する可能性がある。

参考文献

1)灰野 誠:炎症細胞の遊走機序.山本一彦(編):臨床免疫学(上).20-26,日本臨床社,大阪,2005
2)Fruhstorfer H, Hermanns M, Latzke L:The effects of thermal stimulation on clinical and experimental itch. Pain 24:259-269, 1986
3)佐久間康子・三田晴久:スギ花粉症に対するトラニラスト点眼液の眼誘発反応抑制効果.臨眼 47:1935-1938,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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