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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

網膜色素変性に対するウノプロストンの効果

著者: 宮村紀毅1 上松聖典2 築城英子2 隈上武志2 北岡隆2 竹原昭紀3 黒木明子4 田中陽子5 中村美樹6

所属機関: 1国立病院機構長崎医療センター眼科 2長崎大学大学院医歯薬総合科学研究科眼科学・視覚科学教室 3国立病院機構嬉野医療センター眼科 4長崎市立市民病院眼科 5長崎市立琴海病院眼科 6長崎県離島医療圏組合五島中央病院眼科

ページ範囲:P.541 - P.545

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要約 目的:網膜色素変性に対するウノプロストン点眼の評価。対象と方法:網膜色素変性20例37眼に1日1回のウノプロストン点眼を約2年間続け,静的視野検査で4/Vイソプタの面積と臨床像を評価した。男性10名,女性10名であり,年齢は平均58.4±14.8歳であった。ウノプロストン点眼を行わない網膜色素変性23例46眼を対照とした。年齢は平均54.3±14.6歳であった。結果:対照群では視野面積が有意に減少したが,投与群では視野面積の減少はなかった。投与群での眼圧は有意に低下した。視力には有意差がなかった。年齢または合併症の有無は,視野面積の減少率と相関しなかった。結論:ウノプロストン点眼は網膜色素変性での視野狭窄進行に対して有効である可能性がある。

参考文献

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2)松村美代・本田孔士・早川むつ子:網膜色素変性症の医療状況に関する実態調査の報告.臨眼 44:275-278,1990
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4)Berson EL:Retinitis pigmentosa. The Friedenwald Lecture. Invest Ophthalmol Vis Sci 34:1659-1676, 1993
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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