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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

購入から装用までの経過が決め手となったコンタクトレンズ角膜障害の1例

著者: 小林茂樹1 小林守治1

所属機関: 1小林眼科医院

ページ範囲:P.615 - P.619

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要約 目的:海外で購入したコンタクトレンズの装用により角膜障害が生じた症例の報告。症例:30歳女性が左眼の疼痛と流涙で受診した。右眼に-5D,左眼に-4Dの近視があり,矯正視力は右1.0,左0.1であった。両眼の角膜中心部に軽度の角膜浮腫と,角膜全面にびまん性表層角膜炎があった。通常のコンタクトレンズによる角膜障害と思われたが,カナダで購入した日本では未承認のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズであり,コンタクトレンズケア用品として,日本で購入したマルチパーパスソリューションを使用していた。結論:本症例の角膜障害は,マルチパーパスソリューションによる急性の細胞毒性または過敏性による可能性がある。

参考文献

1)工藤昌之・糸井素純:シリコンハイドロゲルコンタクトレンズと消毒剤との相性.あたらしい眼科 22:1349-1355,2005
2)糸井素純:シリコンハイドロゲルコンタクトレンズ.あたらしい眼科 23:845-850,2006
3)Miyata K, Amano S, Sawa M et al:A novel grading method for superficial punctuate keratopathy magnitude and its correlation with corneal epithelial permeability. Arch Ophthalmol 121:1537-1539, 2003
4)松沢康夫:シリコンハイドロゲルコンタクトレンズの基礎知識―表面の性質について.あたらしい眼科 22:1315-1324,2005
5)植田喜一:シリコンハイドロゲルコンタクトレンズと化学消毒剤との適合性.臨眼 60:707-711,2006
6)水谷由紀夫:海外のマルチパーパスソリューションの現状.あたらしい眼科 23:873-878,2006
7)水谷 聡:次世代のコンタクトレンズケア.あたらしい眼科 21:761-767,2004
8)小玉裕司:新しいマルチパーパスソリューション.あたらしい眼科 22:1345-1348,2005
9)植田喜一・西田輝夫:角膜上皮障害.水谷由紀夫,坪田一男(編):コンタクトレンズの基礎と臨床.209-214,診断と治療社,東京,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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