文献詳細
今月の表紙
文献概要
患者は24歳女性。結膜炎で近医を受診した際に夜盲を訴え,眼底異常を認めたため精査目的で当院を紹介され受診した。既往歴は,5歳より多発性硬化症がある。家族歴に特記すべきことはなく,近親婚は確認できていない。眼底検査で“はげかかった金箔様”眼底を認めたが,長時間暗順応後の眼底検査では正常眼底となった(水尾-中村現象)。20分暗順応flash ERGでa波の低下,b波の消失,律動様小波は正常で長時間暗順応flash ERGでa波,b波の改善を認めた。視野,色覚,中心フリッカ値は正常であった。以上より小口病と診断した。
小口病は先天停止性夜盲の一種で,原因として常染色体劣性遺伝でアレスチン遺伝子1147delA変異,またはロドプシンカイネース遺伝子の異常が報告されている。日本人の場合は,前者が多いとされている。
小口病は先天停止性夜盲の一種で,原因として常染色体劣性遺伝でアレスチン遺伝子1147delA変異,またはロドプシンカイネース遺伝子の異常が報告されている。日本人の場合は,前者が多いとされている。
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