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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

連載 眼科医のための遺伝カウンセリング技術・7

遺伝確率に関する情報提供とカウンセリング技法―確率をどのように伝えるか

著者: 千代豪昭1

所属機関: 1お茶の水女子大学大学院人間文化研究科特設遺伝カウンセリングコース

ページ範囲:P.727 - P.737

文献概要

はじめに

 遺伝カウンセリングでは「遺伝病が発病したり,再発する可能性をクライエントに伝える」という過程がある。「カウンセラーから知らされた遺伝医学情報をもとに,クライエントが自らの意志で罹病による不利益を回避するために行動決定する」のが遺伝カウンセリングの1つの流れである。遺伝カウンセリングが医療行為に準じるというのも,この過程がクライエントの精神・身体の健康に深く関わるからである。

 さて,科学性を重視する遺伝カウンセリングでは,遺伝性疾患の発病や再発の可能性を「確率」という数字で説明することが多い。確率を読み取り未来を予測することが難しいのは天気予報の降水確率を例にとっても明らかであるが,遺伝現象の確率的な表現の伝達が難しい理由として,いくつかの問題が指摘できる。

参考文献

1)Stein Z, Susser M, Guterman AV:Screening programme for prevention of Down's syndrome. Lancet 10:305-310, 1973
2)千代豪昭:遺伝カウンセリングー面接の理論と技術.医学書院,東京,2000
3)佐藤孝道:遺伝カウンセリング・ワークブック,中外医学社,東京,2000
4)Baker DL, Schuette J, Uhlmann WR:A Guide to Genetic Couseling. A John Wiley & Sons Publication, New Jersey, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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