臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(3)

原著

春季カタルに対するトリアムシノロンアセトニド眼瞼皮下注射の治療成績

著者： 小沢昌彦¹ 山口晃生¹ 淵上あき¹ 門之園一明² 内尾英一¹

所属機関： ¹福岡大学医学部眼科学教室 ²横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科

ページ範囲：P.739 - P.743

文献概要

要約　目的：春季カタル重症例に対するトリアムシノロンアセトニド（TA）の眼瞼への皮下注射の効果の報告。対象と方法：本研究は62か月の間2施設で行われた。春季カタル重症例20例28眼にTAの皮下注射を1回だけ行った。年齢は7～34歳（平均15歳）である。対象として春季カタル重症例8例8眼にプレドニゾロンを経口的に継続投与した。年齢は8～28歳（平均15歳）である。症例はすべて男性であった。臨床診断基準による臨床スコアで効果を判定した。結果：両群とも投与から2週後に病状が改善した。皮下注射群では投与開始から24週後の時点で，内服群に比べ有意な再発抑制効果があった（p＜0.01）。眼圧上昇は皆無であった。結論：TAの眼瞼への皮下注射は，速やかな消炎効果と再発抑制効果があり，春季カタル重症例での症状を改善させる。

参考文献

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