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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

ステロイドパルス療法でも再発を繰り返した原田病の1例

著者: 正木究岳1 高島保之1 奥平晃久1

所属機関: 1西神戸医療センター眼科

ページ範囲:P.797 - P.800

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要約 目的:副腎皮質ステロイドのパルス療法で治療し,再発を繰り返した原田病症例の報告。症例と経過:24歳男性が2日前からの両眼の変視症で受診した。矯正視力は右0.8,左1.2で,両眼の後極部に漿液性網膜剝離があり,蛍光眼底造影所見と合わせ原田病と診断した。1日200mgのプレドニゾロンを投与したが,3日後に投与量を漸減すると直ちに漿液性網膜剝離が再発した。1日1gのメチルプレドニゾロンによるパルス療法に切り替えたが,維持量にすると再発し,これを3回繰り返した。1日200mgのシクロスポリンによる併用を開始し,3日後に網膜剝離は消失した。発症から1年後の現在まで再発はない。結論:副腎皮質ステロイドのパルス療法で再発を繰り返す原田病には,ステロイドとシクロスポリンの併用投与が奏効することがある。

参考文献

1)稲用和也・藤野雄次郎:原田病の治療.眼科 43:1307-1317,2001
2)岩永洋一・望月 學:Vogt-小柳-原田病の薬物療法.眼科 47:943-948,2005
3)増田寛治郎:原田病の治療について.眼紀 35:2684-2687,1984
4)青木さとみ・杉原いつ子:免疫抑制剤による難治性ぶどう膜炎の治療.眼紀 39:479-484,1988
5)井上尊雄・多田 玲・中川やよい・他:原田病遷延例に対するシクロスポリンの効果.臨眼 43:47-51,1989
6)稲用和也・林 清文・増田寛治郎:Vogt-小柳-原田病に対するサイクロスポリンA治療.臨眼 47:1733-1737,1993
7)高橋義徳・小暮美津子:難治性ぶどう膜炎(特に原田病に対する)シクロスポリンとタクロリムス療法.眼臨 92:1137-1139,1998
8)高比良友則・平岡孝浩・川名啓介・他:著明な脈絡膜剝離をきたした治療抵抗性の原田病の1例.臨眼 60:1231-1236,2006
9)大野重昭:ネオーラルによるベーチェット病治療のガイドライン.1-16,厚生省厚生科学研究ベーチェット病に関する調査研究班,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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