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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

糖尿病黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニド後部テノン囊下注入の効果と合併症

著者: 孫鳳銘1 上本理世2 水木信久1

所属機関: 1三浦市立病院眼科 2横浜市立大学病院眼科

ページ範囲:P.811 - P.813

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要約 目的:糖尿病黄斑浮腫に対してトリアムシノロンアセトニドを後部テノン囊下に注入した結果の報告。対象と方法:糖尿病黄斑浮腫がある6例9眼にトリアムシノロンアセトニド20mgを後部テノン囊下に1回注入し,5~11か月(平均8か月)の経過を追った。男性3眼,女性6眼で,年齢は平均65歳であった。視力はIogMARで評価し,0.2以上変化したものを改善または悪化とした。結果:視力は4眼が改善,5眼が不変であり,悪化はなかった。視力が改善した4眼中1眼では,注入後284日で元の視力に戻った。合併症として高眼圧が1眼,眼瞼下垂が2眼にあった。感染または血糖値上昇はなかった。結論:トリアムシノロンアセトニドの後部テノン囊下注入は,糖尿病黄斑浮腫で視力を改善させる。高眼圧と眼瞼下垂などの合併症については,事前に説明することが望ましい。

参考文献

1)日谷光一郎・山本貞子・佐藤幸裕:糖尿病黄斑浮腫に対するトリアムシノロン後部テノン囊下注射の治療成績.眼科 46:1759-1764,2004
2)斉藤公子・佐藤浩章・川崎 良・他:糖尿病黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニドのテノン囊下投与の試み.眼紀 55:100-104,2004
3)Ohguro N, Okada AA, Tano Y:Trans-Tenon's retrobullbar triamcinolone infusion for diffuse diabetic macular edema. Greafes Arch Clin Exp Ophthalmol 242:444-445, 2004
4)吉田宗徳:黄斑浮腫に対するトリアムシノロンアセトニド単独治療.眼科手術 17:331-336,2004
5)Niemi-Murola L, Krootila K, Kivisaari R et al:Localization of local anesthetic solution by magnetic resonance imaging. Ophthalmology 111:342-347, 2002
6)Mitsui T, Azuma H, Nagasawa M et al:Chronic corticosteroid administration causes mitochondrial dysfunction in skeletal muscle. J Neurol 249:1004-1009, 2002
7)Hugate R, Pennypacker J, Saunders M et al:The effects of intratendinous and retrocalcaneal intrabursal injections of corticosteroid on the biochemical properties of rabbit Achilles tendons. J Bone Joint Surg 86:794-801, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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