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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

原因不明の弱視として長期間観察された黄斑低形成症の1例

著者: 山村陽1 中島伸子1 深尾隆三1 稗田牧1

所属機関: 1バプテスト眼科クリニック

ページ範囲:P.819 - P.822

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要約 目的:当初は弱視とされていた黄斑低形成症の1症例の報告。症例:5歳男児が右眼視力低下で受診した。矯正視力は右0.5,左1.0であった。間欠性外斜視があり,両眼視機能では同時視のみがあった。経過:弱視と診断し,左眼遮閉を行った。右眼視力は2か月後に0.9,2年後に0.9,6年後に0.4になった。眼底の精査で,両眼に中心窩反射と輪状反射がなく,蛍光眼底造影で中心窩の無血管領域がなく,光干渉断層計(OCT)による検査で生理的陥凹がない平坦な黄斑であった。これらの所見から両眼の黄斑低形成症と診断した。結論:弱視が疑われる小児では,黄斑低形成症などの器質的疾患である可能性があるので,眼底を精査することが必要である。

参考文献

1)Duke-Elder S:System of Ophthalmology Ⅲ:652-657, Henry Kimpton, London, 1964
2)井上晃一:無黄斑部症の1例.眼紀 19:190-193,1968
3)早川むつ子:黄斑低形成.眼科診療プラクティス 27(小児視力障害の診療):129-131,1997
4)小野眞史・東 範行・小口芳久・他:黄斑低形成症.臨眼 45:1937-1941,1991
5)丸尾敏夫・久保田伸枝:自覚的固視検査.斜視・弱視診療アトラス.64-65,金原出版,東京,1979
6)鉄本員章・杉浦寅男:黄斑の発達.眼科MOOK 38:140-147,1989
7)島 明子・大木隆太郎・千野公久:黄斑低形成症の1例.眼科 33:1489-1491,1991
8)豊福秀尚・吉住 真・宮本文夫・他:蛍光眼底像における黄斑部暗黒斑の欠如.眼紀 28:1153-1159,1977
9)岡山良子・豊福秀尚・大蔵文子・他:黄斑部低形成症の2家系.臨眼 31:959-965,1977
10)西村みえ子:未熟児網膜症.眼科診療プラクティス 6(眼底造影写真の読み方):208-211,1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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