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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

日本人の角膜鉄線発生率

著者: 松原稔1

所属機関: 1松原眼科医院

ページ範囲:P.853 - P.858

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要約 目的:Hudson-Staehli's lineで代表される角膜鉄線の日本人での頻度の報告。対象と方法:外来の初診患者3,008名を検索した。内訳は男性1,395名,女性1,613名である。細隙灯顕微鏡(ZEISS SL130)付属のCCDカメラで角膜を動画として撮影した。結果:典型的なHudson-Staehli's lineは男性36名と女性26名,角膜片雲の影響を受けたその亜型は男性49名と女性11名,Stocker's lineは男性4名と女性2名,Fleischer's ringは男性3名の総計131名(4.4%)にあった。発生率は加齢とともに増加した。結論:日本人の角膜鉄線の頻度は4.4%であった。従来の海外の報告と比較し,頻度がずっと低いこと,年齢とともに増加すること,男女差があることで大きく異なる。

参考文献

1)Norn MS:Hudson-Staehli's line of cornea. Ⅰ. Incidence and morphology. Acta Ophthalmol(Copenh) 46:106-118, 1968
2)Rose GE, Lavin MJ:The Hudson-Staehli lineⅠ. An epideminological study. Eye 1:466-470, 1987
3)Gass JD:The iron line of the superficial cornea. Arch Ophthalmol 71:348-358, 1964
4)渡辺 潔:コンタクトレンズ合併症.真鍋禮三・木下 茂・大橋裕一(監):角膜クリニック.第2版.154-158,医学書院,東京,2004
5)Coats G:Two cases showing a small, superficial, opaque white ring in the cornea. Trans Ophthalmol Soc UK 32:53-56, 1912
6)村松信之:角膜白輪の5例に就いて.中眼医報 27:32-38,1935
7)松原 稔:角膜異物の統計的研究.眼臨 96:103-108,2002
8)松原 稔:眼表面異物.あたらしい眼科 22:1505-1510,2005
9)松原 稔:錆輪の基礎と臨床.臨眼 57:1441-1446,2003
10)松原 稔・吉田宗儀・増子 昇:角膜錆輪の組織学的研究.臨眼 58:1957-1960,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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