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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻5号

2007年05月発行

文献概要

臨床報告

エピケラトームを用いて角膜混濁除去を行った1例

著者: 柴田優子1 宮井尊史1 子島良平1 刑部安弘1 宮田和典1 天野史郎2

所属機関: 1宮田眼科病院 2東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.897 - P.901

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要約 目的:エピケラトームを併用して角膜の混濁除去を行った症例の報告。症例:20歳の女性が3歳のときに両眼の顆粒状角膜ジストロフィと診断された。混濁が強くなり,角膜擦過術を複数回受けた。4年前に当科を受診した。矯正視力は右0.1,左0.7であり,レーザーによる角膜切除術(PTK)で視力が右1.0,左0.9に改善した。さらに電気分解術を2回右眼に行ったが角膜混濁が進行した。視力が右0.6,左0.7に低下したので,エピケラトームによる上皮剝離除去と電気分解術を施行した。4日後に角膜上皮欠損がなくなり,7日後に視力は右0.6,左0.6になった。術前の角膜厚は右515μm,左487μmであり,術後は右480μm,左490μmになった。エピケラトームを使うことで角膜混濁の電気分解を短時間で行うことができた。結論:再発を繰り返した角膜混濁を電気分解で除去する際にエピケラトームを使い,治療時間が短縮化できた。

参考文献

1)梅野敬子・伊藤眞由美・伏見典子・他:顆粒状角膜ジストロフィに対する電気分解術.眼科 41:905-909,1999
2)崎元 暢・稲田紀子・庄司 純・他:ホモ接合変異を有する顆粒状角膜ジストロフィの小児例.眼科 43:1703-1707,2001
3)Pallikaris IG, Kalyvianaki MI, Katsanevaki VJ et al:Epi-LASIK. Preliminary clinical results of an alternative surface ablation procedure. J Cataract Refract Surg 31:879-885, 2005
4)宮田和典・刑部安弘:屈折矯正手術セミナー.エピケラトームの現状.あたらしい眼科 23:475-476,2006
5)佐々木秀憲・加藤卓次・村井恵子・他:順天堂医院におけるPTK症例の検討.眼科手術 17:233-236,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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