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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻6号

2007年06月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

極小切開白内障手術:バイマニュアル法とマイクロコアキシャル法の比較検討

著者: 樋口亮太郎1 戸田桃子1 大力千尋1

所属機関: 1横浜南共済病院眼科

ページ範囲:P.955 - P.959

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要約 目的:極小切開による白内障手術でのバイマニュアル法とマイクロコアキシャル法との比較と安全性の報告。対象と方法:同一術者が白内障手術を行った169眼を検索した。49眼はバイマニュアル法,75眼はマイクロコアキシャル法,45眼は従来の方法で手術し,手術手技,手術時間,超音波作動時間,安全性を検討した。結果:初期には極小切開法に特有な合併症があったが,器具と手技を改善することで解決した。バイマニュアル法では従来法よりも手術時間が有意に長かった。マイクロコアキシャル法はバイマニュアル法に比べ,導入初期から手術時間が安定していた。角膜内皮細胞密度には3群間に差がなかった。結論:白内障手術での極小切開法では,従来法に比べて同径の眼内レンズをより小さい切開創から挿入できる。バイマニュアル法よりもマイクロコアキシャル法のほうが新規に導入しやすい。

参考文献

1)三戸岡克哉:Bimanualによる極小切開白内障手術.眼科手術 18:471-476,2005
2)柴 琢也:極小切開白内障手術.IOL & RS 20:20-24,2006
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4)Mencucci R, Ponchietti C, Virgili G et al:Corneal endothelial damage after cataract surgery:Microincision versus standard technique. J Cataract Refract Surg 32:1351-1354, 2006
5)Paul T, Braga-Mele R:Bimanual microincisional phacoemulsification:the future of cataract surgery? Curr Opin Ophthalmol 16:2-7, 2005
6)小林貴樹・黒坂大次郎:ナノ,ウルトラスリーブを使用した極小切開白内障手術.IOL & RS 19:428-431,2005
7)鍋島隆司,黒坂大次郎:極小切開白内障手術.眼科 48:481-487,2006
8)常岡 寛:極小切開白内障手術.IOL & RS 18:372-378,2004
9)Kurz S, Krummenauer F, Gabriel P et al:Biaxial microincision versus coaxial small incision clear cornea cataract surgery. Ophthalmology 113:1818-1826, 2006
implantation through a 1.70mm incision. Eye 21:177-182, 2007
11)ビッセン宮島弘子:視機能を考えた眼内レンズ選択法.IOL & RS 20:209-212,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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