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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻6号

2007年06月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

水晶体完全脱臼と亜脱臼の原因

著者: 木下太賀1 真野富也1 櫻井寿也1 竹中久1 前野貴俊2

所属機関: 1多根記念眼科病院 2大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.961 - P.964

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要約 目的:水晶体脱臼と亜脱臼の原因と経過の報告。対象:過去7年9か月間に手術を行った54例62眼を対象とした。脱臼と亜脱臼がそれぞれ31眼にあった。男性37名,女性17名,年齢は平均58歳であった。結果:完全脱臼の原因は,強度近視7眼,鈍性外傷7眼,Marfan症候群3眼,レーザー虹彩切開3眼,偽落屑症候群1眼,原因不明10眼であった。亜脱臼の原因は,鈍性外傷6眼,Marfan症候群2眼,レーザー虹彩切開3眼,偽落屑症候群2眼,アトピー性皮膚炎2眼,原因不明16眼であった。61眼に対して硝子体手術と経毛様体水晶体切除術を行い,45眼では眼内レンズを縫着した。結論:原因として両群とも打撲が多かった。完全脱臼では強度近視が多かった。レーザー虹彩切開後に水晶体偏位が生じた症例があり,注意が必要である。

参考文献

1)満田久年・瓶井資弘・田野保雄・他:液体パーフルオロカーボンによる脱臼水晶体,眼内レンズ摘出法.眼紀 42:967-971,1991
2)Imai M, Iijima H, Takeda N:Intravitreal phacoemulsification with pars plana vitrectomy and posterior chamber intraocular lens suture fixation for dislocated crystalline lenses. J Cataract Refract Surg 27:1724-1728, 2001
3)高尾宗之・江口秀一郎:脱臼した水晶体と眼内レンズ摘出術の長期成績.臨眼 52:1309-1312,1998
4)小川涼太・吉澤豊久・阿部春樹・他:硝子体内水晶体完全脱臼に対する硝子体手術成績.眼臨 99:551-553,2005
5)Jarrett WH:Dislocation of the lens. A study of 166 hospitalized cases. Arch Ophthalmol 78:289-296, 1967

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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