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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻6号

2007年06月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

緑内障点眼治療における多剤投与から単剤投与への試み

著者: 古賀憲人1 濱田禎之1 佐藤俊介1

所属機関: 1国立病院機構岩国医療センター眼科

ページ範囲:P.1029 - P.1031

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要約 目的:緑内障に対する2剤以上の多剤点眼をラタノプロスト単独点眼に変更したときの眼圧下降効果の報告。対象と方法:2剤以上の多剤点眼で加療中の緑内障13例26眼を対象とした。内訳は,原発開放隅角緑内障2例,原発閉塞隅角緑内障1例,正常眼圧緑内障10例である。18眼はラタノプロストを含む多剤投与中であり,8眼はラタノプロストを含まない多剤投与中であった。ラタノプロスト単独点眼に切り替え,3か月後の眼圧を測定した。結果:26眼での眼圧は切り替え前13.5±5.0mmHg,3か月後は12.8±3.6mmHgであった。ラタノプロストを含まない多剤投与中の8眼では,切り替え前18.6±5.4mmHg,3か月後は16.4±3.8mmHgであり,有意に下降した(p=0.01)。ラタノプロストを含む多剤投与中の18眼では,切り替え前11.2±2.6mmHg,3か月後は11.2±2.1mmHgであった。結論:緑内障に対する2剤以上の多剤点眼をラタノプロスト単独点眼に変更しても,変更前の眼圧が維持できる可能性がある。

参考文献

1)徳岡 覚:コンプライアンスの実際.Frontiers in Glaucoma 1:38-41,2000
2)八鍬のぞみ・丸山幾代・勝島晴美・他:ラタノプロストへの変更投与による眼圧維持率の検討.あたらしい眼科 17:1564-1566,2000
3)松本宗明・木村貞美・洪里卓志・他:多剤併用中の開放隅角緑内障患者におけるラタノプロストによる薬剤数の減少効果.臨眼 56:426-428,2002
4)高田園子・橋本茂樹・有村英子・他:ラタノプロスト単独への変更投与の検討.あたらしい眼科 19:353-357,2002
5)小川美幸・庄司信行・林 良子・他:複数点眼症例におけるラタノプロスト単剤への変更の有用性.あたらしい眼科 20:1011-1014,2003
α analog, on aqueous humor dynamics in human eyes. Ophthalmology 100:1297-1304, 1993
7)Camras CB, Wax MB, Ritch R et al:Latanoprost treatment for glaucoma:effects of treating for 1 year and of switching from timolol. Am J Ophthalmol 126:390-399, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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