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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻6号

2007年06月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

外傷性眼球破裂の治療成績

著者: 尾崎弘明1 ジェーンファン1 梅田尚靖1 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1045 - P.1048

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要約 目的:外傷性眼球破裂症例の手術成績の報告。対象:過去7年間に治療した21例21眼を検索した。初診時の視力は全例が手動弁以下であった。初回手術として,20眼で裂創を縫合し,1眼は眼球を摘出した。硝子体出血または牽引性網膜剝離がある12眼には,初回手術から約2週間後に硝子体手術を行った。結果:最終視力は6眼(29%)が0.8以上,1眼が0.1から0.7,3眼が手動弁から0.09,5眼が光覚弁,4眼が光覚なしであり,2眼が眼球摘出を受けた。初診時に光覚がないこと,破裂創が15mmよりも大きいこと,網膜が脱出していることが,最終視力不良になる因子であった。結論:外傷性眼球破裂では適切な初期対応と積極的な治療が必要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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