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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻6号

2007年06月発行

文献概要

やさしい目で きびしい目で・90

熱く思うこと (3)炎症

著者: 島川眞知子1

所属機関: 1東京女子医科大学

ページ範囲:P.1097 - P.1097

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 大学でぶどう膜外来をしていると,Behçet病をはじめとするぶどう膜炎では,なぜ繰り返しこんなに強い炎症が起こってしまうのだろうかと,炎症細胞を憎々しく思う。炎症という厄介者のお蔭で,眼球内の透明性が保持できなくなってしまうのは,ほんとうに困りものである。

 一方,私が国立国際医療センターにいたときは,エイズの患者さん達をたくさん診察させていただき,多くの眼日和見感染症例を経験した。頻度の高いサイトメガロウイルス網膜炎を筆頭に,脈絡膜結核腫,梅毒性視神経炎,トキソプラズマ症,ニューモシスチス・カリニ脈絡膜症,等々である。CD4リンパ球数が低下してこれらの日和見感染が起きていないかどうか定期的にチェックするのは眼科医の重要な仕事である。なぜなら,ふつうなら外敵に対して生体防御せんと炎症が生じ,眼は痛いし,赤いし,前房や硝子体が混濁して霧視や視力低下を自覚し,速やかに自ら眼科を受診され,異常が生じていることが判明する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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