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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

連載 日常みる角膜疾患・52

角膜真菌症―初期診断での生体共焦点顕微鏡の有用性

著者: 近間泰一郎1 西田輝夫2

所属機関: 1山口大学医学部眼病態学講座 2山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野

ページ範囲:P.1152 - P.1155

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症例

 患者:83歳,女性

 主訴:流涙,充血

 既往歴:角膜ヘルペス後の角膜穿孔に対して,約2年前に全層角膜移植術+囊外摘出術+眼内レンズ挿入術を施行した。

 現病歴:角膜移植後の定期診察の際に,7時部の移植片からレシピエントにかけて角膜潰瘍を伴う白色病変がみられた。角膜潰瘍中央部の菲薄化は著明で,ザイデル現象がわずかに陽性であった。潰瘍辺縁部の塗抹擦過検査と培養検査への提出を行うと同時に,HRTⅡ-RCM®による生体検査を行った(図1)。

 塗抹検査およびHRTⅡ-RCM®検査よりカンジダによる感染症と診断し,ミカファンギンナトリウムの点滴,ピマリシン眼軟膏,フルコナゾールの点眼により治療を開始した。1週間後に培養によりCandida albicansが同定された。治療開始後,病巣部は縮小傾向を認めた。

参考文献

1)Cavanagh HD, Jester JV, Essepian J et al:Confocal microscopy of the living eye. CLAO J 16:65-73, 1990
2)Eckard A, Stave J, Guthoff RF:In vivo investigations of the corneal epithelium with the confocal Rostock Laser Scanning Microscope(RLSM). Cornea 25:127-131, 2006
3)Guthoff RF, Baudouin C, Steve J:Atlas of Confocal Laser Scanning In-vivo Microscopy in Ophthal-mology. Springer, Heiderberg, 2006
4)Hara M, Morishige N, Chikama T et al:Comparison of confocal biomicroscopy and noncontact spec-ular microscopy for evaluation of the corneal endo-thelium. Cornea 22:512-515, 2003
5)近間泰一郎:手術器具 HRTⅡの角膜モジュール.IOL & RS 20:167-169,2006
6)高橋典久・湧田真紀子・近間泰一郎・他:レーザー生体共焦点顕微鏡で観察した外傷性再発生角膜びらんの角膜所見.臨眼 60:983-988,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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