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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

増殖糖尿病網膜症に伴う血管新生緑内障の治療成績

著者: 向野利寛1 武末佳子1 山中時子1 志賀宗佑1 山名泰生2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院眼科 2北九州市

ページ範囲:P.1195 - P.1198

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要約 目的:増殖糖尿病網膜症に関連した血管新生緑内障の手術後の長期成績の報告。対象と方法:糖尿病網膜症に続発した血管新生緑内障26眼と,増殖糖尿病網膜症に硝子体手術を行った後に発症した血管新生緑内障13眼の計32例39眼を対象とした。年齢は25~72歳(平均53歳)である。汎網膜光凝固のみでルベオーシスが消退し,眼圧が正常化した例は除外した。治療は硝子体手術と毛様体扁平部濾過手術または線維柱帯切除術を併用した。結果:最終手術から9か月ないし10年6か月(平均4年4か月)の経過観察で,34眼(87%)は視機能を維持し,5眼(13%)は視力零になった。最終眼圧は21mmHg未満が30眼(77%),21mmHg以上が9眼(23%)であった。結論:血管新生緑内障でも手術を含む適切な治療により,長期にわたって視機能を維持できることがある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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