臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

老視に対する調節訓練．第8報．調節力が大きく変動した4例

著者： 福與貴秀¹

所属機関： ¹福与眼科医院

ページ範囲：P.1251 - P.1254

要約　目的：調節訓練の比較対照試験のための経過観察中に調節力が大きく変動した症例の報告。症例：調節訓練の比較対照試験に参加している77例中の4例。いずれも女性で，年齢は40，42，45，48歳である。結果：いずれも初回検査から1年以内に調節力が1D以上増加したようにみえたが，自覚症状には変化がなかった。これら4例では本来の調節力測定ができていないと判断した。結論：経過観察中に調節力が大きく変動する症例があり，比較対照試験から除外した。

参考文献

1）福與貴秀：老視に対する調節訓練．第7報．他覚的調節検査で改善を確認した3例．臨眼　60：809-812，2006

2）福與貴秀・原田美世子・吉田恵美子・他：老視に対する調節訓練．臨眼　48：1309-1311，1994

3）所　敬：屈折異常とその矯正．第2版．179-199，金原出版，東京，1992

4）魚里　博：調節および偽調節の用語．眼科　35：1285-1289，1993

5）Duan A：Studies in monocular and binocular accommodation with their clinical applications. Am J Ophthalmol　5：865-877, 1992