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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

光学部および支持部の素材,デザイン,光学特性の異なる眼内レンズ挿入眼の高次収差の比較

著者: 渕端睦1 二宮欣彦1 竹原敦子1 志賀早苗1 前田直之2

所属機関: 1行岡病院眼科 2大阪大学大学院医学系研究科視覚情報制御学

ページ範囲:P.1255 - P.1259

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要約 目的:素材とデザインが異なる眼内レンズ(IOL)を挿入した眼球の高次収差の比較。対象と方法:IOL挿入を受けた165眼を対象とした。内訳は,アクリルを素材としたSA60AT 49眼とMA30BA 29眼,シリコーンを素材としたクラリフレックス26眼,およびシリコーンを素材とした非球面のKS-3Ai 51眼である。いずれも術後6か月の時点で波面センサーを使い,眼球収差と角膜収差の差から眼球内部の高次収差を算出した。結果:非球面IOLは球面IOLと異なり,高次収差は負の値をとった。シリコーンIOLはアクリルIOLよりも球面収差が有意に小さかったが,コマ収差と高次収差の総和に有意差はなかった。結論:眼球と角膜の高次収差を測定することで,挿入されたIOLの光学的特性を詳細に評価できる可能性がある。

参考文献

1)大鹿哲郎・岡本周子・園田純一郎・他:視覚の質quality of visionを測る.日眼会誌 108:770-800,2004
2)Fujikado T, Kuroda T, Ninomiya S et al:Age-related changes in ocular and corneal aberrations. Am J Ophthalmol 138:143-146, 2004
3)Amano S, Amano Y, Yamagami S et al:Age-related changes in corneal and ocular high-order wave-front aberrations. Am J Ophthalmol 137:988-992, 2004
4)宮田和典:最近の眼内レンズ.非球面眼内レンズについて.あたらしい眼科 23:441-445,2006
5)佐伯忠賜朗・江口秀一郎・江口まゆみ・他:非球面眼内レンズと球面眼内レンズの比較.IOL & RS 19:325-330,2005
6)比嘉利沙子・清水公也・飯田嘉彦・他:非球面および球面IOL挿入眼の高次波面収差の比較.臨眼 59:1089-1093,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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