icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

眼内鉄片異物に合併した眼瞼外反が異物除去後に速やかに治癒した1例

著者: 池洋一郎1 服部芳伸1 竹田眞純1 野見山豪1 廣川博之2

所属機関: 1北見赤十字病院眼科 2旭川医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1277 - P.1279

文献購入ページに移動
要約 目的:眼内異物除去後に眼瞼外反が速やかに治癒した症例の報告。症例と経過:74歳の左眼に切れた鉄ワイヤが当たった。眼内炎が生じたが治療により軽快した。受傷の2か月後から左下眼瞼に外反が生じた。受傷から4か月後に紹介され受診した。矯正視力は右1.0,左0.4であった。CTで左眼下方に異物様の高信号があった。手術中の所見として,眼内異物の二重穿孔はなく,下直筋が強膜に癒着していた。下眼瞼の外反は手術の5日後に消失した。結論:本症例での下直筋の強膜への癒着は,硝子体内異物で遷延した眼内炎が眼外に波及した結果であり,下眼瞼の外反の原因になったと解釈される。

参考文献

1)杉 紀人・伊野田繁・澁井洋文・他:眼内鉄片異物に感染性眼内炎を合併した1例.あたらしい眼科 15:1767-1770,1998
2)日下野勉・宮村紀毅・宮 華青・他:長期にわたる眼内鉄片異物の2症例.眼臨 97:1073-1075,2003
3)帆北直子・上村昭典・中尾久美子:カニ指節による眼内異物の1例.眼科手術 8:360-362,1995
4)中安清夫:眼科学大系8C.眼付属器.65-70,中山書店,東京,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?