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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(5) 原著

サルコイドーシス性結膜肉芽腫は結膜のどの深さにあるのか―組織学的検討

著者: 飯田文人1

所属機関: 1イイダ眼科医院

ページ範囲:P.1311 - P.1313

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要約 目的:サルコイドーシスでの生検の成績を向上するために,結膜肉芽腫の組織を検索した結果の報告。対象と方法:過去9年間に全身の臨床所見と結膜生検から組織的にサルコイドーシスと診断した13症例15眼を対象とした。結膜生検から得られた病理標本245切片を光学顕微鏡で観察し,写真撮影した結膜肉芽腫の直径,厚さ,上皮からの距離を測定した。結果:上皮から肉芽腫までの距離は0.05~0.14mm(平均0.10mm),厚さは0.12~0.24mm(平均0.16mm),直径は0.21~0.61mm(平均0.38mm)であった。結論:サルコイドーシスでの結膜肉芽腫は結膜固有層に存在する。生検では上皮から0.38mm以上深く切除すれば肉芽腫が得られやすい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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