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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

文庫の窓から

『内経太素』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.1346 - P.1347

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道家の編んだ『内経太素』

 岡西為人の『中国醫書本草考』の2番目には『内経太素』が挙げられている。この本は唐の時代,楊上善が編集し註釈をつけたもので,『素問』と『針経(霊枢)』という2つの書物をまとめ,医学の理論を体系的に論じている。楊上善は,林億らが隋の人と誤って伝えていたようだが『道徳経広聖義』(901)という書物に「太子司議郎 楊上善 高宗時人 作 道徳集注真言二十巻」と出ており,道家の説を奉ずる唐時代の文人だったらしい。

 わが国においては『内経太素』は,700年代の中頃には請来されていたようだ。大宝元年(701)に医生,針生の本として,『素問』『黄帝針経』『脈決』『明堂』が指定されていたのが,半世紀後の天平宝字元年(757)には,医生は『太素』『甲乙』『脈経』『本草』を,針生は『素問』『針経』『明堂』『脈決』を学ぶようにと勅が出されている。

参考文献

1)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
2)小曽戸洋:中国医学古典と日本.塙書房,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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