文献詳細
連載 網膜硝子体手術手技・8
文献概要
はじめに
網膜下出血を起こす疾患としては狭義の加齢黄斑変性や網膜細動脈瘤,ポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:以下,PCV)などが挙げられる。黄斑下血腫は,出血を放置して約2週間も経過すると器質化が進行しその部分の網膜機能が次第に低下していくので,理想的には1週間以内に早期の治療を予定しなければならない一種の緊急疾患である。その治療として,硝子体手術による血腫の除去および硝子体腔ガス注入による血腫移動術がある。ガス注入による血腫移動術については成書に譲るとして,本稿では,実際に当教室で行っているフィブリン特異的血栓溶解薬である組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator:以下,tPA)の網膜下注入を併用した黄斑下血腫除去術の手技を述べる。
網膜下出血を起こす疾患としては狭義の加齢黄斑変性や網膜細動脈瘤,ポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:以下,PCV)などが挙げられる。黄斑下血腫は,出血を放置して約2週間も経過すると器質化が進行しその部分の網膜機能が次第に低下していくので,理想的には1週間以内に早期の治療を予定しなければならない一種の緊急疾患である。その治療として,硝子体手術による血腫の除去および硝子体腔ガス注入による血腫移動術がある。ガス注入による血腫移動術については成書に譲るとして,本稿では,実際に当教室で行っているフィブリン特異的血栓溶解薬である組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator:以下,tPA)の網膜下注入を併用した黄斑下血腫除去術の手技を述べる。
参考文献
1)寺崎浩子・三宅養三・近藤峰生・他:組織プラスミノーゲンアクチベータを用いた黄斑下血腫の除去.眼臨 91:282-285,1997
2)菊池雅人・寺崎浩子:t-PAを網膜下に注入して黄斑下血腫を除去しよう.眼科インストラクションコース2.黄斑部手術完全マスター.120-131,メジカルビュー社,東京,2005
3)菊池雅人・石川浩平・伊藤逸毅,他:組織プラスミノーゲンアクチベータ誘導体モンテプラーゼを用いた黄斑下血腫除去術.眼臨 98:799-802,20041
4)Iguchi Y, Ito Y, Kikuchi M et al:Seasonal variation of acute massive submacular haemorrhage associated with age-related macular degeneration. Br J Ophthalmol 90:1256-1258, 2006
5)Terasaki H, Miyake Y, Kondo M et al:Focal macular electroretinogram before and after drainage of macular subretinal hemorrhage. Am J Ophthalmol 123:207-211, 1997
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