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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻8号

2007年08月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

流行性角結膜炎の院内多発事例とその対策

著者: 鈴木景子1 倉知豪1 吉田宗徳1 小椋祐一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学

ページ範囲:P.1425 - P.1429

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要約 目的:2005年7月12日から6週間の間に大学病院に多発した流行性角結膜炎(EKC)の院内感染の報告。症例と経過:他医でEKCと診断されていた女性が,6月18日に入院患者に面会にきた。7月1日に退院した患者が11日に来院し,アデノウイルス8型によるEKCが発症していた。その翌日,医師2名がEKCと診断された。以後感染者が増加し,最終的に医師4名,病院勤務者1名,入院患者34名,外来患者9名がEKCに罹患した。EKCを発症している患者の診察時のみに医師がディスポーサブルグローブを使うことではEKCの感染拡大を防げず,すべての患者の診療にディスポーサブルグローブを装用することで院内感染が終息した。結論:EKCの今回の院内感染では手指を介した接触が重大な原因であった。

参考文献

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10)薄井紀夫:アデノウイルス結膜炎の院内感染とその対策.日本の眼科 71:1331-1334,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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