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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻8号

2007年08月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

新生児クラミジア結膜炎8例の検討

著者: 村瀬寛紀1 堀由起子1 堅田利彦1 東松敦子1 望月清文2 太田俊治3 山田信二4 澤田明5 三鴨廣繁6

所属機関: 1岐阜大学大学院医学研究科眼科学 2JA岐阜厚生連中濃厚生病院眼科 3JA岐阜厚生連中濃厚生病院産婦人科 4JA岐阜厚生連中濃厚生病院小児科 5岐阜市民病院眼科 6岐阜大学生命科学総合研究支援センター嫌気性菌研究分野

ページ範囲:P.1431 - P.1435

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要約 目的:新生児クラミジア結膜炎の臨床像と経過の報告。対象と方法:過去8年5か月の間に2診療施設を受診した新生児クラミジア結膜炎8例15眼を対象とした。男児4例,女児4例であり,全例が満期自然分娩であった。確定診断にはクラミジアPCR法または蛍光抗体染色法を原則として用いた。治療には主にフルオキノロン薬の点眼液または軟膏を用いた。結果:出生から眼脂などの症状発現までの期間は平均6日,症状発現から診断確定までの期間は平均20日であった。治療開始からクラミジアPCR法または蛍光抗体染色法の所見が陰性化するまでの期間は平均92日であり,治癒までの日数は点眼回数と有意差がなかった。結論:新生児クラミジア結膜炎では診断確定までに時間を要することが多い。治療では確実な抗菌薬の長期間にわたる局所投与が必要である。

参考文献

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3)高岡紀子・廣渡崇郎・亀井裕子・他:クラミジア結膜炎6例の検討.臨眼 59:869-873,2005
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9)山田亜古・小口 学:エリスロマイシンと肥厚性幽門狭窄症.小児科 42:1258-1263,2001
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11)北野周作・塩田 洋・矢野啓子・他:フルオロキノロン系抗菌点眼薬トシル酸トスフロキサシン点眼液のクラミジア結膜炎を対象とする非対照非遮蔽多施設共同試験.あたらしい眼科 23:81-94,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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