文献詳細
特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(6)
原著
文献概要
要約 目的:角膜屈折矯正手術の既往がある眼に対して行った白内障手術の報告。症例:1例は53歳男性で,17年前に放射状角膜切開術を両眼に受けている。他の1例は62歳男性で,3年前にLASIKを両眼に受けた。白内障手術はそれぞれの左眼と右眼に対して行われた。結果:2症例とも眼内レンズ挿入後は,術前の予想どおり遠視になった。第1例では約+7Dの遠視になり,眼内レンズの入替手術が必要になった。この例では眼軸長が29.06mmであり,術前に用いたSRK式での誤差が大きくなったと考えられた。結論:角膜屈折矯正手術の既往がある眼に白内障手術を行うときには,術後の屈折が予想とは大きく違う可能性があり,術前に十分説明する必要がある。
参考文献
1)大鹿哲郎:屈折矯正手術後の眼内レンズ(IOL)手術.度数計算.あたらしい眼科 20:1533-1534,2003
2)所 敬:屈折異常とその矯正.第4版.166-168,金原出版,東京,2004
3)所 敬:屈折異常とその矯正.第4版.168-169,金原出版,東京都,2004
4)大鹿哲郎:RKやPRK術後の患者に対して白内障手術を施行するときの,眼内レンズ度数計算法について.あたらしい眼科 14(臨増):73-76,1997
5)北大路浩史・中井義秀 中井義昌・他:放射状角膜切開後の眼内レンズ度数.眼科手術 8:681-685,1995
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