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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻9号

2007年09月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

黄体・卵胞ホルモン配合剤投与後に失明したBehçet病の1例

著者: 関向大介1 安積淳1 根木昭1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科器官治療医学講座眼科学

ページ範囲:P.1677 - P.1680

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要約 目的:薬剤投与がBehçet病の大発作を誘発したと考えられる1例を報告する。症例:2004年6月4日に神戸大学病院眼科を初診した51歳女性は,15年来のBehçet病の既往があった。初診時視力は右光覚なし,左矯正0.3であった。経過中に大発作を起こし左眼も光覚なしとなった。発作の2週間前より,婦人科医院にて黄体・卵胞ホルモン配合剤を処方されていた。同配合剤は血栓性静脈炎の既往のある患者には禁忌であった。所見:発作直後は硝子体混濁が強かった。硝子体混濁軽快後,視神経は蒼白で,網膜血管は高度に白鞘化していた。結論: Behçet病患者に対する黄体・卵胞ホルモン配合剤の危険性を周知する必要がある。

参考文献

1)安藤文隆・松浦雅子・佐竹成子・他:Behçet病の抗凝固療法について.臨眼 32:301-307,1978
2)安藤文隆・佐竹成子・加藤美代子・他:Behçet病患者の血液凝固能について.臨眼 32:495-499,1978
3)Sarica-Kucukoglu R, Akdag-Kose A, Kayabal IM et al:Vascular involvement in Behçet's disease:a retrospective analysis of 2319 cases. Int J Dermatol 45:919-921, 2006
4)小林隆夫:HRTにおける予防と管理.綜合臨床 55:1906-1912,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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