icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科61巻9号

2007年09月発行

文献概要

特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

水晶体囊,硝子体,毛様体に霜降り状混濁がみられた1例

著者: 中茎敏明1 林暢紹1 小浦裕治1 矢生健一1 福島敦樹1 上野脩幸1 藤田善史2

所属機関: 1高知大学医学部眼科学教室 2藤田眼科

ページ範囲:P.1711 - P.1714

文献購入ページに移動
要約 目的:水晶体囊,前部硝子体,毛様体に多数の白色顆粒がある症例の報告。症例:65歳女性が左眼の霧視で受診した。霧視は3か月前からあり,5週間前に左眼に白内障手術を受けたが霧視は続いていた。所見:矯正視力は右1.0,左1.2であり,左眼には囊内に固定された眼内レンズがあった。右眼には格別の異常がなく,左眼には後囊の後面,前部硝子体,硝子体基底部,毛様体全周に白色顆粒状物質が霜降り状に沈着ないし浮遊していた。前房と隅角には異常がなかった。全身検査では異常がなく,試験切除した硝子体の細菌と真菌学的検査は陰性であった。この白色物質は通常の光顕と電顕標本作成法ではアルコール系では溶出して同定できなかったが,凍結切片では顆粒状と小管状構造物の集塊であった。結論:水晶体囊,硝子体,毛様体に出現した霜降り状の白色顆粒は何らかの脂肪複合物と推定される。

参考文献

1)猪俣 孟:落屑症候群.岩田 誠・松井瑞夫(編):眼科学大系第10巻B.93-95,中山書店,東京,1995
2)沖坂重邦:囊性緑内障.沖坂重邦(編):図説眼組織病理学.276-277,金原出版,東京,1991
3)岸 章治:アミロイドーシス.宇山昌延・根木昭(編):眼科学大系第5巻A.400-401,中山書店,東京,1994
4)松本 直・斉藤伸行・松橋正和:偽落屑症候群における水晶体上皮細胞および偽落屑物の形態学的・生化学的検討.臨眼 56:759-763,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら