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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻1号

2008年01月発行

文献概要

臨床報告

アデノウイルス迅速診断キット「キャピリア(R)アデノアイ」の検討

著者: 吉田和彦1 赤沼正堂1 大口剛司1 大神一浩1 安里良盛2 大橋勉3 庄司純4 根路銘恵二5 日隈陸太郎6 青木功喜1 大野重昭1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻感覚器病学講座眼科学分野 2安里眼科 3大橋眼科 4庄司眼科医院 5中部眼科医院 6日隈眼科医院

ページ範囲:P.71 - P.74

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要約 目的:ヒトアデノウイルスを迅速に診断する装置キャピリア(R)アデノアイの臨床的評価。対象と方法:研究は国内6施設で行われ,アデノウイルス結膜炎が疑われた患者の結膜擦過物100検体を対象とした。検査には免疫クロマトグラフィ法を用いるキャピリア(R)アデノアイを使用し,さらに全検体につきPCR法でアデノウイルスの同定を行った。結果:74検体からPCR法でアデノウイルスが検出された。うち60例(81%)がキャピリア(R)アデノアイで陽性と判定された。残りの26検体にはキャピリア(R)アデノアイ陽性例はなかった。アデノウイルスの血清型または結膜炎の重症度による感度の差はなかった。キャピリア(R)アデノアイによる陽性率は,結膜炎の発症から第2と第3病日で80%以上であった。結論:キャピリア(R)アデノアイはアデノウイルス結膜炎の迅速診断に有用である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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