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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻10号

2008年10月発行

文献概要

今月の表紙

鎌状網膜剝離

著者: 山本素士1 西田輝夫2

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座眼科学 2山口大学

ページ範囲:P.1623 - P.1623

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 症例は30歳,女性。1983年2月に左眼視力障害を主訴に近医を受診後,精査目的で当科を紹介され受診した。視力は右0.5(n. c.),左0.2(n. c.),前眼部,中間透光体に異常がみられなかった。両眼ともに眼底検査で網膜裂孔はなく,視神経乳頭から周辺部網膜へと鎌状に伸びる線維増殖組織が確認され,その収縮による牽引性網膜剝離がみられた。満期出産で家族歴はない。以上より鎌状網膜剝離と診断し,強膜バックルを用いた網膜剝離復位術を行い経過観察している。術後25年経過した2007年でも,視力は左(0.06)と低下しているものの網膜剝離の再発はない。

 撮影にはNidek社無散瞳眼底カメラAFC-210を使用し画角45°で撮影した。NAVIS-Liteパノラマソフトを用いて写真を合成した。線維増殖組織が血管を巻き込んで牽引し周辺網膜に癒着している様子をイメージして撮影した。被検者の負担を軽くするため,病変部を捉える必要最低限の枚数を撮影するように心がけた。また,無散瞳眼底カメラを用いることによって眩しさの軽減を試み,固視の安定も得られスムーズな撮影ができた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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