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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻10号

2008年10月発行

文献概要

連載 日常みる角膜疾患・67

結膜弛緩症

著者: 折田朋子1 近間泰一郎2 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野 2山口大学医学部眼病態学講座

ページ範囲:P.1624 - P.1626

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症例

 患者:72歳,女性

 主訴:両眼の異物感

 既往歴:高血圧症

 現病歴:2005年頃から両眼の異物感を自覚し,近医を受診した。両眼の結膜弛緩症を指摘され,ヒアルロン酸ナトリウムやフルオロメトロンなどの点眼を用いても自覚症状が改善されなかったため,手術目的で当科を紹介され受診した。

 初診時所見:視力は右0.8(1.0),左0.9(1.0),眼圧は右13mmHg,左14mmHg(非接触型眼圧計)であった。両眼の鼻側により強い結膜弛緩を認め,結膜の一部は角膜と接触していた(図1)。軽度の眼瞼下垂を認めたが,マイボーム腺機能不全や角膜上皮障害はなかった。

 経過:前医でヒアルロン酸ナトリウムやフルオロメトロン点眼が使用され,改善が得られていないことから外科的治療の適応と判断し,両眼の結膜弛緩症に対してカレーシスマーカー(M-1405,イナミ)を用いた涙液メニスカス再建術(横井法)1)を行った。術後,創離開や肉芽形成はなく,術後2週間で抜糸を行った。術後1か月頃には涙液メニスカス形成も良好で(図2),患者の異物感も著明に改善した。

参考文献

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11)Kheirkhah A, Casas V, Blanco G et al:Amniotic membrane transplantation with fibrin glue for conjunctiovochalasis. Am J Ophthalmol 144:311-313, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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