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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻10号

2008年10月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

乳頭出血近傍の網膜視機能の経過

著者: 浜田幸子12 𠮷田敬子12 宮澤大輔3

所属機関: 1浜田クリニック眼科 2浜田眼科 3みやざわクリニック

ページ範囲:P.1705 - P.1712

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要約 目的:乳頭縁に接して出血が生じた眼の視野の経過の報告。症例:乳頭縁に出血がある13例13眼を対象とした。男性4例,女性9例で,年齢は52~81歳(平均68歳)である。6例には消炎薬としてプラノプラフェンまたは副腎皮質ステロイドなどが経口投与され,7例は無治療であった。網膜感度はマイクロペリメー夕(MP-1,ニデック)で測定した。結果:無治療群では網膜感度が5例で自然に上昇し,1例で不変,1例で低下した。治療群では当初から網膜感度が低い重症例が含まれ,4例で出血が多発していた。網膜感度は1例で上昇,2例で不変,3例で低下した。結論:乳頭縁に接して出血がある眼での網膜感度の経過は個体差が大きく,消炎薬の投与で一時的な改善があっても,網膜感度変化の方向性は変えられない。

参考文献

1)Kitazawa Y, Shirato S, Yamamoto T:Optic disc hemorrhage in low-tension glaucoma. Ophthalmology 93:853-857, 1986
2)沢口昭一・岩田和雄:正常眼圧緑内障の視神経乳頭の病理.新家 眞・谷原秀信(編):正常眼圧緑内障.212-220,金原出版,東京,2000
3)Grieshaber MC, Terhorst T, Flammer J:The pathogenesis of optic disc splinter haemorrhages:a new hypothesis. Acta Ophthalmol Scand 84:62-68, 2006
4)Sponsel WE, Paris G, Trigo Y et al:Latanoprost and brimonidine:therapeutic and physiologic assessment before and after oral nonsteroidal anti-inflammatory therapy. Am J Ophthalmol 133:11-19, 2002
5)副腎皮質ステロイド.水島 裕(編):今日の治療薬.解説と便覧.59-85,南江堂,東京,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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