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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻10号

2008年10月発行

文献概要

特集 第61回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

硝子体出血を生じたため硝子体手術を行った加齢黄斑変性の視力転帰

著者: 工藤孝志1 鈴木幸彦1 鈴木香1 山崎仁志1 中澤満1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科眼科学

ページ範囲:P.1723 - P.1726

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要約 目的:加齢黄斑変性に併発した硝子体出血に対して硝子体手術を行った症例の視力経過の報告。対象と方法:過去3年間に硝子体出血に対して硝子体手術を行った加齢黄斑変性14例14眼を検索した。男性5例,女性9例で,年齢は60~89歳(平均72歳)である。原則として白内障手術を同時に行い,2~24か月(平均11か月)の経過を追った。術前視力は,2眼が0.2で,他は0.04以下であった。結果:最終視力は,指数弁以下が6眼,0.01~0.1が5眼,0.4~0.5が2眼,不明1眼であった。術前視力と比較し,6眼が2段階以上改善し,4眼が不変,3眼が悪化,1眼が不明であった。結論:加齢黄斑変性に併発した硝子体出血に対する硝子体手術で視力が改善することが多いが,良好な視力を得ることは困難である。

参考文献

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4)荻野哲男・竹田宗泰・今泉寛子・他:加齢黄斑変性に対する光線力学的療法の視力経過不良例の検討.日眼会誌 111:309-314,2007
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7)荻野哲男・竹田宗泰・今泉寛子・他:硝子体出血を合併した加齢黄斑変性の特徴とその手術予後.日眼会誌 109(臨増):127,2005
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9)上水流広史・森 秀夫:大量の硝子体出血により緑内障発作を起こした加齢黄斑変性の1例.臨眼 59:543-546,2005
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11)Sho K, Takahashi K:Polypoidal choroidal vasculopathy. Incidence, demographic features, and clinical characteristics. Arch Ophthalmol 121:1392-1396, 2003
12)木村忠貴・秋田 譲:網膜下血腫を伴ったポリープ状脈絡膜血管症の視力予後.日眼会誌 106:642-647,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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