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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻11号

2008年10月発行

文献概要

コラム 私のこだわり

後部硝子体剝離は黄斑部から

著者: 安藤伸朗1

所属機関: 1済生会新潟第二病院

ページ範囲:P.149 - P.149

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 硝子体手術の1つのポイントは,後部硝子体剝離を確実に行うことである。最近は硝子体を可視化させるためにトリアムシノロンを用いるため,かなり確実に行えるようになってきた。一般的には視神経乳頭部から剝離を行うが,この方法ではともすると黄斑部に残存硝子体を残すことになる。そして取り残した黄斑部の硝子体を剝離することは案外難しく,かつ黄斑円孔をつくる危険もある。

 私の後部硝子体剝離法は,黄斑部から行う。まずトリアムシノロンで硝子体を可視化し,硝子体をおおよそ切除した後,再度網膜面上にトリアムシノロンを吹き付ける。多くの場合,黄斑部から視神経乳頭にかけて膜状にトリアムシノロンが広がる。これを網膜から剝離するのだが,視神経乳頭部で硝子体は強固に接着している。それに比べ黄斑部,特に傍中心部では癒着が少なく,バックフラッシュニードルの受動吸引で簡単に剝離することができる(小切開硝子体手術の場合,バックフラッシュニードルは使用困難という声もあるが決してそんなことはない)。黄斑部を起点に360°周辺に向かい硝子体剝離を作製すると(図1),人工的後部硝子体剝離を安全かつ確実に行うことができる。この手法の一番優れているところは,安全・確実であることと,何よりも黄斑部から完全に硝子体を目視しながら剝離できることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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