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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻11号

2008年10月発行

文献概要

特集 網膜硝子体診療update Ⅳ.注目の疾患 1.加齢黄斑変性

動物モデル

著者: 平澤学1 今村裕1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室・稲井田記念抗加齢眼科学講座

ページ範囲:P.208 - P.210

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動物モデルの必要性

 これまで原因不明とされていた加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は,臨床疫学,疾患感受性遺伝子の検索,患者背景の調査などにより,その病態が次第に明らかにされつつある。しかしながらヒトを使った研究は多くの場合,試料の入手や遺伝的背景の不均一性など,解析に困難を伴うことが多い。特に黄斑領域の疾患では,わが国で検体を採取することは現時点で事実上不可能である。もちろん,われわれ臨床医は最終的にヒトの疾患の病態を解明し,治療を開発することを目的としている。そのためには優れた動物モデルの開発が不可欠である。ヒト疾患の病態を模倣する動物モデルを開発することにより,実験的な治療・介入試験を行うことが可能になり,ヒトへの新しい治療の土台をつくることができる。すでにいくつかの動物モデルでヒトに類似した構造物が再現できるようになっている。

 現在,遺伝子改変動物の作製技術は飛躍的に進歩しており,それに伴い,AMDの動物モデルに関しても優れた論文が数多く発表されている。

参考文献

1)Imamura Y, Noda S, Hashizume K et al:Drusen, choidal neovascularization, retinal pigment epithelium dysfunction in SOD1-deficient mice:a model of age-related macular degeneration. Proc Natl Acad Sci USA 103:11282-11287, 2006
2)Hashizume K, Hirasawa M, Imamura Y et al:Retinal dysfunction and progressive retinal cell death in SOD1-deficient mice. Am J Pathology 172:1325-1331, 2008
3)Lotery A, Trump D:Progress in defining the molecular biology of age related macular degeneration. Hum Genet 122:219-236, 2007
4)Campochiaro PA:Seeing the light:new insights into the molecular pathogenesis of retinal diseases. Cell Physiol 213:348-354, 2007
5)Marmorstein AD, Marmorstein LY:The challenge of modeling macular degeneration in mice. Trends Genet 23:225-231, 2007
6)Rattner A, Nathans J:Macular degeneration:recent advances and therapeutic opportunities. Nat Rev Neurosci 7:860-872, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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