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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻13号

2008年12月発行

文献概要

臨床報告

眼瞼浮腫を主徴とした伝染性単核症の2例

著者: 伊佐敷靖1 井口昭久23 三宅養三13

所属機関: 1愛知淑徳大学クリニック眼科 2愛知淑徳大学クリニック内科 3愛知淑徳大学医療福祉学部

ページ範囲:P.1995 - P.1998

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要約 目的:眼瞼浮腫を主訴として眼科を受診した伝染性単核症の2症例の報告。症例:2例とも19歳女性で,両症例とも両側の上眼瞼浮腫と球結膜充血があった。1例には片眼の球結膜に赤色の隆起性病変があった。眼瞼浮腫と前後して倦怠感と発熱があった。視機能は良好で,眼内に異常所見はなかった。高度の肝機能異常と異型リンパ球の増加があり,伝染性単核症が疑われた。1例ではEpstein-Barr(EB)ウイルス関連抗体の検査で,抗virus capsid antigen(VCA)IgGと抗EB VCA IgMがともに160倍の高値であった。他の1例には抗体検査を行わなかった。眼病変は2症例とも発症から約2週間で寛解した。結論:若年者に両側の眼瞼浮腫があり,発熱と倦怠感を伴うときには伝染性単核症の可能性がある.

参考文献

1)多屋馨子:伝染性単核症.感染症の話.感染症発生動向調査週報.2003年第23週号(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_23/k03_23.html)
2)Matoba AY:Ocular disease associated with Epstein-Barr virus infection. Surv Ophthalmol 35:145-150, 1990
3)坂井潤一:ウイルスによる後眼部病変について教えてください.あたらしい眼科 17(臨増):159-161,2000
4)Hundsdoerfer P, Overberg US, Henze G et al:Conjunctival tumor as the primary manifestation of infectious mononucleosis in a 12 year old girl. Br J Ophthalmol 84:546, 2000
5)中山哲夫:EBウイルス抗体.最新臨床検査のABC.日本医師会雑誌 135(特別号2):328-329,2006
6)脇口 宏・高田賢蔵・今井章介:EBウイルスと伝染性単核症,EBウイルス,EBウイルスとリンパ腫.新村眞人・山西弘一(編):ヘルペスウイルス感染症.251-258,臨床医薬研究協会,東京,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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