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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻13号

2008年12月発行

文献概要

文庫の窓から

『和剤局方』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.2024 - P.2026

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徽宗皇帝の勅撰治方書

 宋代,進んだ印刷技術を背景にして,多くの医学書が刊行されたことはよく知られている。北宋の時代だけでも,第2代太宗の時に『太平聖恵方』と『神医普救方』,第4代仁宗の時は『慶暦善救方』と『簡要済衆方』,第6代神宗の時には『太医局方』,そして第8代徽宗は今回取り上げる『和剤局方』と『聖済総録』を刊行させている。

 唐の滅亡後,時代は混乱に向かったが,社会制度はある程度唐の時代のままに残されていたらしい。宋代に入って第6代神宗の元豊年間(1078-1085),財政の充実をみた頃から官制の大改革が始まり医療体制や保険衛生に関する事業も行われたようである。

参考文献

1)日本学士院:明治前日本薬物学史.第1巻.日本学士院日本科学史刊行会,1957
2)日本学士院:明治前日本薬物学史.第2巻.日本学士院日本科学史刊行会,1958
3)服部敏良:室町安土桃山時代医学史の研究.吉川弘文館,1971
4)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
5)小曽戸洋:宮内庁書陵部所蔵五巻本『和剤局方』について.日本医史学会雑誌 29(2):160-162,1983
6)吉田荘人:中国の医学史.漢方医学 19(7):232-233,(8):266-267,(10)334-335,1995
7)梶原正昭・山下宏明:平家物語(1).岩波文庫,1999
8)アジア遊学.No. 64.特集 徽宗とその時代.勉誠出版,2004
9)周藤吉之・中嶋 敏:五代と宋の興亡.講談社学術文庫,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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