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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻2号

2008年02月発行

文献概要

臨床報告

両眼に発症した海外でのLASIK後の感染性角膜炎の1例

著者: ジェーンファン1 瀧本峰洋1 林英之1 内尾英一1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.179 - P.183

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要約 目的:近視に対して行われたLASIK後に発症した両眼の感染性角膜炎の症例の報告。症例:ベトナムに留学中の20歳の日本人女性が両眼の-6Dの近視に対し,現地でLASIKを受けた。その翌日に現地のホテルで水道水で洗顔した。1週間後に両眼の霧視,2週間後に視力低下と疼痛が生じ,その翌日,両眼にフラップ下の洗浄が行われた。日本に帰国し,手術から17日目に当科を受診した。所見と経過:矯正視力は右0.02,左1.5で,右眼に角膜びらんと実質の混濁,左眼に角膜実質下の膿瘍が2か所にあった。抗菌薬,抗真菌薬,抗原虫薬の投与,フラップ下洗浄,フラップ除去を行ったが軽快しなかった。LASIKから約2か月後に行った深層角膜移植で改善し,最終視力として右0.9,左0.8が得られた。経過中に真菌と細菌が検出された。結論:LASIK後の角膜感染症では,角膜上皮が変化しているために病像が修飾され,注意が望まれる。

参考文献

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2)Solomon R, Donnenfeld ED, Azar DT et al:Infectious keratitis after laser in situ keratomileusis:Results of an ASCRS survey. J Cataract Refract Surg 29:2001-2006, 2003
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4)佐野雄太:LASIK術後の眼感染症.眼科 45:873-878,2003
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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