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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻2号

2008年02月発行

文献概要

臨床報告

内転時に過剰に上・下偏位したDuane症候群2例の外科的治療

著者: 松永芳径1 稲垣有司1 溝田淳1 田中稔1

所属機関: 1順天堂浦安病院眼科

ページ範囲:P.189 - P.193

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要約 目的:内転時に上下の過剰偏位があるDuane症候群2手術例の報告。症例:2例とも女性で,年齢はそれぞれ6歳と42歳,いずれもDuane症候群Ⅲ型である。1例には右眼の内転時に上方偏位があり,下斜筋後転術で上方偏位が軽減した。他の1例には左眼の外斜視と内転時の下方偏位があり,左眼の外直筋と上斜筋を後転した。軽度の過矯正となり,下方偏位が残ったため,内直筋後転術を追加した。第1眼位で正位となり,内転時の下方偏位が軽減した。結論:Duane症候群Ⅲ型で上下偏位がある症例には,患眼の内・外直筋の後転術と斜筋の後転術が奏効することがある。

参考文献

1)大月 洋・田所康徳・長谷部聡:上下斜視・眼筋麻痺の治療.増田寛次郎・小口芳久・湖崎 克(編):コンパクト眼科学.157-166,金原出版,1994
2)Kraft SP:A surgical approach for Duane syndrome. J Pediatr Ophthalmol Strabismus 25:119-130, 1988
3)大庭正裕:Duane症候群の最近の知見.あたらしい眼科 23:729-733,2006
4)Bloom JN, Gravis ER, Mardelli PG:A Magnetic resonance imaging study of the upshoot-downshoot phenomenon of Duane's retraction syndrome. Am J Ophthalmol 111:548-554, 1991
5)大月 洋:Duane's retraction syndromeの最近の考え方と手術適応.神眼 18:87-89,2001
6)Mohan K, Saroha V:Vertical rectus recession for the innervational upshoot and downshoot in Duane's retraction syndrome. J Pediatr Ophthalmol Strabismus 39:94-99, 2002
7)Helveston EM(ed):The treatment of Duane syndrome. The Strabismus Minute 2(12):1-8, 2000(Cyber-Sight, ORBIS Telemedicine)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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