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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科62巻2号

2008年02月発行

文献概要

文庫の窓から

『傷寒論』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.200 - P.202

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『三国志』の時代の人,張仲景

 現在『傷寒論』と呼ばれている書物は,張仲景によって成されたものと考えられている。今は失われた『名醫録』という書物には「南陽の人,名は機,仲景は乃ちその字なり。孝廉に挙げられ,官は長沙の太守に至る。始め術を同郡の張伯祖に受く。時人云う,識用精微なることその師に過ぐ。」とあったそうだ。袁紹や曹操らが戦う『三国志』の時代,現在の湖南省にあたる長沙の太守が『傷寒論』の作者である。『傷寒卒病論集』の仲景自序には,建安紀年(196)以来10年も経たぬうちに200余人いた宗族の3分の2が亡くなり,その10のうち7は傷寒が原因で死亡したため,自分は『素問』『九巻』『八十一難』『陰陽大論』『胎臚薬録(たいろやくろく)』『平脈弁証』などを撰用して『傷寒雑病論16巻』を作った,と述べている。

参考文献

1)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
2)特集:日本漢方から見た中国の『傷寒論』研究.中医臨床 2(1),東洋学術出版社,1981
3)北里研究所附属東洋医学総合研究所(編):矢数道明先生退任記念東洋医学論集.医聖社,1986
4)小曽戸洋:中国医学古典と日本.塙書房,1996
5)江部洋一郎・横田静夫:経方医学1~4.東洋学術出版社,1997
6)劉渡舟・姜元安・生島 忍(編著):現代語訳宋本傷寒論.東洋学術出版社,2000
7)裴永清:臨床力を磨く傷寒論の読み方50.東洋学術出版社,2007
8)岡田研吉・牧角和宏・小髙修司・森立之研究会(編):宋以前傷寒論考.東洋学術出版社,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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