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著者: 水流忠彦
所属機関:
ページ範囲:P.216 - P.216
文献購入ページに移動昨今政治も経済も医療の世界も混沌とし,あちこちで「制度疲労」あるいは「システム崩壊」の兆しが見えてきているように思います。このような混乱や崩壊をきたしている要因には多くのものがあるでしょうが,その1つに「フラット化」というものを挙げたいと思います。フラット化とは,社会や組織の構造,サービスや情報の入手・提供など社会活動のあらゆる面で,従来あった階層(ヒエラルヒー)や障壁(バリア)が消失していくということです。その結果,さまざまな財や情報が良くも悪くも自由奔放に動き回ることになります。世界の「フラット化」の急速な進展に,インターネットの爆発的な普及と,東西冷戦構造の終息が大きな役割を果たしたことはいうまでもありません。最近のわが国の混迷も,急激に進む社会のフラット化と,それに対応できていない旧制度との軋轢が深層にあるのではないでしょうか。
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